• 心に桜がありますか?

    2003年4月1日 update

    すっかり桜の季節です。
    一歩家から外に出れば桜の木と朝の挨拶を交わすような、そんなとても身近な場所が近くにあります。
    夏には新緑が勢いを増し、
    秋には落ち葉がゆらゆらと。
    冬にはそのたくましい幹、
    そして開花する春。
    私は何度も何度も何度もこの四季折々の桜の木に心を奪われてきたのでした。

    桜だけではありません。春は特に美しいものです。
    菜の花の黄色と少し背の高い白い花(名前がわからない)が、川沿いを色彩で満たし、桜の穏やかな桃色を元気にしています。

    桜や菜の花だけではないのです。
    お昼休みにお弁当を食べているOLの人。 お散歩途中の老夫妻。 ランドセルの女の子。
    誰もがそこで春の訪れる足音を肌で感じている。その姿がとにかく美しいのです。
    何かを期待をしているような、振り返っているような、そんな思いが重なってとても美しいのです。
    私は飽きもせずに毎年毎年この風景に感動してしまうのです。

    小さい頃、私には桜の美しさがあまり理解できなかった、というより、あまりにも身近すぎて桜よりもチューリップやパンジーなど、校庭に咲くもっとカラフルで派手な花ばかり気になっていたようです。
    いや、もちろん、チューリップやパンジーも充分に美しいと思うのですが、真っ暗な夜に桜をみたときのあの「なんてきれいなんだろう」という感動が焼きついたまま離れないのです。怖いくらいにきれいだった。闇の中に浮かび上がるようなあの美しさは桜だけが持っているものだと思うのです
    桜はきっと知っている。
    だから、人は桜に心を奪われてしまうのではないでしょうか?
    人は、心の中に自分だけの桜の木を持っているのだと、私はそう思います。

    こんかいはすこしやわらかく。

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